往診と訪問診療の違いと看護師の役割

在宅医療は国が推進していることもあり、在宅医療専門のクリニックが誕生したり、訪問看護ステーションと連携する取り組みが進んだりしています。

在宅医療を支える面でポイントになるのが、往診と訪問診療です。
往診は、突発的な状況のために患者さんの居住場所を訪問して診療することを言います。医療機関により対応は分かれますが、24時間対応を行う場合、夜間に緊急出動がかかることも珍しくありません。
対して訪問診療は、計画的に定期的に患者さんのお宅を訪問して診療することです。多くの場合は月に2回ほど訪問して、患者さんの在宅医療をサポートします。
看護師が主体となる訪問看護と違い、往診も訪問診療も必ず医師が同行します。

往診は緊急時対応ということで医師の役割が大きくなりますが、特に訪問診療では看護師の役割が大きいといえます。
看護師の主な仕事内容は、体温、血圧、脈拍などの病状観察や医師の指示による医療処置、床ずれ防止、使用する医療機器の管理などです。さらに、患者さんの家族への支援を行ったり、療養環境の整備などの相談に乗ったりすることも大切な仕事です。
訪問診療の対象となる患者さんは高齢者が多いので、介護予防のアドバイスや認知症ケア、リハビリに加え、ターミナルケアなどにも対応する必要があります。
訪問診療において看護師は患者さんやその家族と医師をつなぐパイプ役として頼りにされるため、やりがいのある仕事です。勤務時間の融通が利くので、家族の事情がある看護師や、子育て中の看護師が多く働いています。