24時間での対応が求められる往診

病院などに通院して治療を受けることに負担を感じる患者さんが、自宅などで受けられる医療サービスのことを在宅医療といいます。そして在宅医療は、主に、「訪問診療」と「往診」に分けることができます。

訪問診療では、定期的に医師が訪問して診療を行います。たとえば毎週何曜日の何時ごろに訪問するかの予約をして、計画的に治療を進めていきます。病気の治癒に向けた指導や相談業務、薬の処方なども行われます。

一方往診は、急な病状の変化など突発的な事態が起きた際、家族や患者さん本人からの要請で自宅などに訪問して診療を行います。たとえば救急車を呼ぶほどではない症状であっても、普段から診察を受けている医師にお願いして診察に来てもらうことができるので、臨時の対応策として利用されています。

在宅医療は、通院がなかなかできない患者さんにとって、非常に便利なサービスです。ただ、看護師などの医療従事者は、病院での診察などとの違いについて理解しておく必要があります。
往診においては、まず、患者が突発的な事態に見舞われたらすぐに対応できるよう、24時間体制である必要があります。「在宅療養支援病院」や「在宅療養支援診療所」は、訪問診療や24時間体制の往診ができる医師や看護師などがきちんと確保された医療機関になります。
また、診療体制が十分に整っていない医療機関などでは、24時間いつでも必要に応じて往診することはできず、深夜の往診などの対応がない場合もあります。ただ、在宅医療を支えるために24時間連絡をとり、他の医療機関と連携するといった対策を講じている医療機関は多いです。